開教の大地に歓声
        街中にババサーブ像       
タミルナド州
マンゴード村、パタナムチッタ村など、3カ所を回った。
トリバンドラムから2時間ほどの山中のゴムの木の林が続く一帯で、
下草がきれいに刈りとられ、1本、1本に樹液を受ける黒いカップが取り付けられている。
山また山の斜面全体がゴムの林である。
下草刈りと朝早く樹液を集めて回るのが、この辺の労働者の仕事である。
ケララ州に比べ、比較的、下地がすでに存在していたのは、タミルナド州だという。
今回も走り抜ける町の辻つじに多くのアンベードカル立像があり、
見かけるたびにボディー師は大きな歓声を上げていた。
ババサーブ(アンベードカル博士に対して仏教徒たちは親しみを込めて、こう呼ぶ)像が立っているということは、
その周辺にダリット民衆が多く住んでいるということで、
ボディー師にすれば、いずれ次々と訪れて、仏教開教をしなければならない。
いわば種まき予定地ということで、思わず勇み立つのであろう。
タミルナド州ベロール郡ラニペット市カレー町のお寺でのプログラムに来ていた1932年生まれの、
元郵便局長ウマベティー氏の談によると、第二次大戦前、そこラニペットにも仏教寺院があり、
立派な大仏もあったという。スリランカやミャンマーの僧たちが来ることがあったが、
大戦後、55年ごろには壊れてしまい、代わってキリスト教の宣教が盛んになったこともあって、
消滅してしまったのだという。

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