ニューデリー、インド大統領閣下
 
 主題:マハボディー大寺を世界遺産のリストから外すことを避けるために、
インド政府及びビハール州政府がユネスコ基準に従うよう指導して頂くための要望

閣下。
   貴国の最高の基幹行政に対して誠に失礼ながら、ブッダガヤ、マハボディー大寺の管理において
インド政府、ビハール州政府によって続いているユネスコ基準の軽視に対して、ぜひ閣下の注意を促したいと存じます。
 マハボディー大寺は如来、ブッダが悟りに到達された場所であり、歴史的重要性を有する世界的に有名な場所であります。
全世界の仏教徒にとって、もっとも大切なこの場所はユネスコによって、傑出した普遍的な価値を持つ史跡として認定されました。
さらに2002年6月29日に世界遺産の世評高いリストに載せられることになりました。
国連によるこの歴史的な措置は圧倒的に仏教国と世界中に広がる信者たちに歓迎されました。
インド仏教徒もまた心からこの措置を歓迎し、この地のよりよい管理をもたらすであろうと思い、安堵の溜息をつきました。
残念ながら、マハボディー大寺はそれ本来の宗教の信者達だけによって管理されてはいない唯一の宗教的聖地なのであります。
現在、地区長官を頭とする、4人のヒンドゥー教徒、4人の仏教徒メンバーからなる組織による管理であります。
このこと自体が自由と宗教を保証している、我々の偉大な憲章の文言と精神に背くものであります。
また、国際的な基準と文明的国家間の協定にも背いています。
たとえ管理面で多少の改善がなされたとしても、それは1947年から1997年にかけての、
会計や管理面での汚職問題を明るみに出した仏教徒団体による粘り強い運動の結果であります。

最近、いくつかの有名な通信社や、新聞によって、国連はインド中央政府とビハール州政府による協力が欠けているために、
マハボディー大寺を世界遺産から外すことを真剣に考えていると報じられています。
その中でユネスコの係官は中央及び州政府に対して以下の理由によって遺憾であると言及しています。

A:政府による大菩提寺のお粗末な管理
B:大菩提寺の寺域内の無許可かつ不法な建築
C:建築の高さ制限違反
D:寺域の周囲に半径1KMの緩衝地帯を設けることに対する地域的要因による障害
E:全体に怠慢、中央及び州政府による協力の欠如

世界遺産を発表する際に中央政府および州政府が国連に対して成した自らの約束に
背いていることに言及することはなんとも哀しいことであります。
緩衝地帯の創設、建築物の高さ制限、環境の改善、等々は大菩提寺の神聖性を保全するための
計画の肝心の部分であります。もし、両政府が国連に協力するならば、適切な管理とさらなる旅行者や参拝者を
引きつける場所の清浄化へとつながるでありましょう。
これらの対策は地元の腐敗した政治家、役人、商売人グループの私腹のために妨害されているのです。
この問題はローカルな基準では判定できない国際的な場所の重要性に考慮しながら理性的に解決されなければなりません。
この地の神聖性を破壊することに熱心な、また国際的基準を軽んずることの手段となっているこれらの反社会的分子に対して
毅然とした行動が取られなければなりません。

中央政府および州政府による非協力に原因があるユネスコによる世界遺産からの除名は貴国にとって
非常な恥辱となるでしょう。それはまた仏教国との文化的外交関係がゆるむことにもなるでしょう。
このことはこの重大な局面において大変重要です。
もし政府のこの続いている不作為がいつまでも続くならば仏教徒団体はそれに対して抗議の声を上げることを
世界中に広げていくでしょう。それは再び貴国に対して非常な悪評をもたらすでしょう。

それゆえ、われわれはインド国大統領閣下に、中央および州政府がユネスコの基準に従うよう、不作為を止め、
誠実さを見せて、マハボディー大寺が世界遺産から除名されることを避けるよう、思いやりを持って指導して頂きたいと要望いたします。

有り難うございました。 
                                             賛 同 者 の 署 名