劇団パンタカ第1回公演:昭和57年4月8日(木):神戸文化大ホール
【釈尊降誕会祝典劇】
『パンタカものがたり』ーーー正しい精進努力ーーー
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第一幕

第4場 ーーー釈尊、木の下に坐っておられる。パンタカ、上手から走り込んでくる。ーーーパンタカにスポットライト
パンタカ 「お釈迦さまあ、お釈迦さまあ!」
ーーーパンタカ、駆け寄り、ひざまずき礼拝する。釈尊、静かに眼を開いてパンタカを見る。
釈尊 「パンタカよ、どうかしたのか。とても嬉しそうだね」
パンタカ 「はい!お釈迦さま、愚か者の私にも、やっと分からせて頂いたような気がいたします。心の迷いを掃き清めて、取り去ることがみ教えに従うことだと思いますが・・・・・・」
釈尊 「パンタカよ。よくぞ悟った。お前の長い間のたゆまぬ精進努力が実ったんだよ。もうお前は愚か者ではない。尊い智慧を得たのだよ」
ーーー釈尊、木の枝を指し示し、また落ち葉を指し示して
釈尊 「見てごらん。次から次へと、木の葉は散ってつもる。なおも怠けることなく塵を払い、垢を除いて、仏の道へ精進努力するのだよ」
ーーー釈尊のスポット消す。パンタカのみスポット追う。
パンタカ 「はい、お釈迦さま」
ーーー静かに掃き始めて、次第に正面に進み、スポットの中に立って箒を手にして合掌する。
ーーー吟遊詩人のナレーターにスポット
(NA) こうしてチューラパンタカは精進努力を続け、立派なお弟子となり、お釈迦さまの教えを人々に広めて歩きました。
彼が亡くなった後、そのお墓に不思議な草が生えました。人々はその草を食べると物忘れがひどくなると言い伝えました。その草の名は茗荷と申します。ーーーここで出演者全員舞台前列に整列ーーー
それでは、皆さん、合掌をお願いいたします。最後に皆さんとご一緒に、この尊い教えを説き明かしてくださったお釈迦さまの名号を「南無本師釈迦牟尼仏」と三回お唱えしたいと思います。
南無本師釈迦牟尼仏
南無本師釈迦牟尼仏
南無本師釈迦牟尼仏

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